脱エクセルで、人事業務効率化と従業員の納得度向上を両立
株式会社トヨコン 経営管理部 経営管理課 人事広報グループ 係長
高柳祐一朗 様
- サービス業
- 51~300名
- 評価の納得度を向上させたい
- 人材データを一元管理したい
- 組織図を手軽に作成したい
- 人事評価や目標管理の運用を効率化したい
- タレントマネジメント
- 人事評価
HRBrain導入開始:2021年08月01日
脱エクセルで、人事業務効率化と従業員の納得度向上を両立
- 課題背景
- 長く人事制度が変わっておらず、社員の定量評価がしにくかった
- エクセル運用のため、どの資料が最新なのか、どこのフォルダに資料があるのか、誰が異動・昇格したのかがわからなかった
- 打ち手
- 1年かけて人事制度の再設計を行う
- 改定した人事制度を効果的・効率的に運用するためにHRBrainを導入
- 効果
- 納得度の高い人事制度を構築し、効率的に運用できるようになった
- 従業員マスターを更新するだけで、HRBrain上で「従業員数」を始めとするすべてのデータが閲覧できるようになった
- 現場からも、管理職によるデータの手入力作業がなくなったことで「システム導入ができて良かった」という声を聞くことができた
株式会社トヨコンの経営管理部 経営管理課 人事広報グループの係長である高柳祐一朗様にHRBrain導入の経緯、目的、おすすめポイントを伺いました。
ー「株式会社トヨコン」の事業内容・形態を教えてください。
包装資材及び物流機器販売、包装設計、システム開発、倉庫管理業務、梱包業務、組立事業を行っています。
2022年7月時点の従業員数は197名です。
改定した人事制度を効果的・効率的に運用するために導入
ー導入前に抱えていた人事課題を教えてください。
「社員の定量評価がしにくい」という点から、人事制度設計の見直しを2年前から開始しました。
当時、以下の3つの課題がありました。
1.前回の評価よりも良い評価をつける傾向があり、多くの従業員が60点以上の評価を得ていた。そのため人事制度自体が「社員の成長に繋がっているのか」という疑問があった。
2.評価項目が多く煩雑で、シンプルに評価したかった。
3.社長から「トヨコングループ経営理念である『価値の共創』を実現するため、トヨコンイズムの5箇条を人事制度に反映したい」という要望があった。
上記解決のため、外部のコンサルティングなども活用しながら、1年かけて納得感の高い人事制度を作り上げました。
その人事制度を運用する仕組みとして、HRBrainの導入を決定しました。
ー課題を解決し、どのような状態に変えたいと考えていましたか。
HRBrain導入以前は、半期ごとに一人一つずつの評価表をエクセルで作成していました。
被評価者が記入したシートに対し、一次考課者・二次考課者が欄を分けて評価を記入します。その後、経営管理部が集計表を作成し、各部門ごとの調整を行います。
この人事考課の際に、経営管理部では「評価比較を行うシート」や、「評価に連動した賞与分配用のシート」を作成するなど、常時5つ〜6つのエクセルを作成・運用する必要がありました。
まず、「どの資料が最新なのか」「どこのフォルダに資料があるのか」という問題に併せて、「その資料を見ることのできる権限」の問題も起きていました。そのため、社内のフォルダ内で人事評価制度を運用する課題を強く感じていました。
また、当時は給与・勤怠管理のシステムがありましたが、従業員マスターの管理が不十分で、常に最新の情報にアップデートされているわけではありませんでした。
そのうえ、システム同士の連携が取れておらず、従業員の社員番号(従業員マスター)と、評価のエクセルが紐づいていませんでした。
HRBrain導入以前、人事考課の際には同じエクセルを使い回して更新していたため「この従業員は部署異動したはず」「等級が上がったはず」という確認に、時間と手間を取られていました。
当社では倉庫管理業務を行っているため、全従業員の約半数にあたる100名弱の従業員が、個人のパソコンを持っていません。そのため、被評価者は手書きで評価シートを記載し、各拠点の管理者がその分を手入力で転記していました。その転記による入力ミスがしばしば起こっていたことも、看過できませんでした。
「システムで一元管理ができて、最新かつ同一の情報が閲覧できる」という状態にしたいと考えていました。
そのような状態でHRBrainを導入、運用し始めて1年が経過しました。
現在はHRBrainと連携できる新たな給与・勤怠管理システムでの運用を開始したこともあり、「社員番号」「従業員名」「評価」のデータをそれぞれ紐づけることができています。
今後は、管理者が自発的にHRBrainにログインし従業員データを確認するなど、その浸透に力を注いでいきたいと考えています。
ー他システムと比べ、HRBrainで印象に残っていることを教えてください。
HRBrainは、サービス資料の一つに「作業工数削減のシミュレーションができるシート」があった点が印象的でした。
例えば、人事評価の運用について「エクセルシートに入力する時間(1分)×人数」分の工数が削減できるなど、項目ごとに記載欄が設けられており、導入後のイメージがわきやすいという利点がありました。
また、経営層から「システム導入にあたって費用対効果を出してほしい」という要望があり、それに応えるためにも便利に活用することができました。
評価の一元管理、従業員データの可視化・共有ができるように
ーご導入後の満足度と、その理由について教えてください。
システム導入によって「人事評価の一元管理・運用ができる」「情報の共有ができる」「従業員データの見える化ができる」という点において、満足しています。
一方で、HRBrainには組織分析ができる機能も搭載されていますが、現時点でその活用には着手できていません。自社で完璧に使いこなせていないという意味で、80点くらいでしょうか。
今後、もっと利用の幅を広げていきたいと思います。
ほかにも「こういった機能があったらいいな」という要望にも柔軟に対応してくれる点で、可能性があるサービスだと感じています。
今後、360度評価についての機能追加があると聞いていますので、楽しみにしています。
ー経営や現場から、どのような反響がありましたか。
現場からは、管理職によるデータの手入力作業がまるまるなくなったことで、「システム導入ができて良かった」という声を聞くことができました。
以前は、エクセルの古いバーションに誤って入力してしまうことや、紙からの転記の際の入力ミスなどがありました。
しかし、HRBrain導入後は被評価者自身がフォームに入力することで、データ共有が可能となります。
その点で、管理職の負担もずいぶん軽くなったと言うことができます。
脱エクセルで、人事業務効率化と従業員の納得度向上を両立
ー導入前に抱えていた課題の解決状況はいかがですか。
HRBrain導入後、「人事評価に工数がかかっている」「一元管理ができていない」という問題が解決しました。
また、導入前は以下の作業についても手入力で対応していましたが、その作業量がゼロになりました。
【HRBrain導入で削減されたこと】
・目標管理関連作業(エクセル面談記録・評価表・集計表の作成、管理者による確認作業)
・異動者の設定変更
・組織図変更
特にエクセルで管理していた組織図においては、「従業員数」「平均年齢」「勤続年数」が算出されるよう計算式を入力していたため、その計算式を崩さないよう更新する手間がありました。
現在は従業員マスターを更新するだけで、HRBrain上で「従業員数」を始めとするすべてのデータが閲覧できるようになっています。
仮定の話ですが、もし「明日からHRBrainのサービスが使えなくなった」としても、もうエクセルでの運用には戻れないですね。
作業の工数が跳ね上がってしまう点もそうですが、また社内フォルダにエクセルを置いて人事評価制度を運用することに逆戻りしてしまうと、再び閲覧権限や属人的な問題を抱えることになります。
ほかのサービスに乗り換えるといっても、それも難しいと思います。
なぜなら、ほかのサービスでは「システムに合わせて妥協しなければならない点」が多くあったからです。
自由度が大きい点も、HRBrainを導入した大きな理由のひとつです。
当社は、社内で確立された制度がすでにあったため、「従来の人事評価制度をそのままに、エクセルの利用を廃止し、システム上で工数を削減しつつ運用できます」と言い切れることが導入のポイントでした。
「システムに合わせて評価制度が変わります」ということでは、従業員の理解度・納得度からはかけ離れてしまうという懸念がありました。
ーどの機能を、どのように利用されているか具体的に教えてください。
HRBrainでは、ダッシュボードで従業員の平均年齢を確認するほか、社内研修にアンケート機能を活用しています。
個人のパソコンを持っていない従業員が全体の約半分(100人弱)にのぼるため、以前は現場までアンケート用紙を持参して配布・回収し、持ち帰ってエクセルで集計していましたが、それでは手間がかかりすぎてしまいます。
現在はHRBrain上でアンケートを配布するだけで、手間なく回収・集計できるようになりました。
制度の浸透や経営をサポートするツールとして期待
ーHRBrainに今後期待したいことがあれば教えてください。
「会社を経営する・存続させるために、どれくらい効果があるのか」がわかりやすく表示されるダッシュボードがあったら助かります。
「自社にマッチした見え方」を模索し、HRテックであるHRBrainで経営をサポートしていきたいと考えています。
また、「どんな人材になってほしいか」「どんなふうに行動してほしいか」など、求められていることがシステムを通して理解できれば、従業員の人事評価制度への納得度がさらに高まると思います。
そうした人事評価制度の浸透をサポートするツールとしても期待しています。
※掲載内容は、記事公開の2022年9月時点のものです。